2016年2月16日火曜日

スジボソギンヤンマ?と思しきAnax終齢個体。 ♯トンボ幼虫(ヤゴ) ♯ギンヤンマ♯南伊豆町

2月の初旬、自宅の庭のヤゴ飼育容器を確認したところ、Anax(ギンヤンマ属)の幼虫(♂)が終齢になっていました。当初、ギンヤンマ(Anax parthenope julius)とばかり思っていた個体でしたが、終齢になったものをよく見ると「?」の部分が目につきました。


ギンヤンマの終齢と比較してみましょう。


続いてクロスジギンヤンマ終齢幼虫の全形写真です。

全体的に、何となく違う。と、感じられると思います。

では、次回は具体的に「何所が、どう違うか?」を各部分(頭部形状・下唇部の形状・尾部の下付属器(♂)原器)の違いを見ていきましょう。

頭部は、ギンヤンマ(真ん中)はとくに複眼が縦に長く、幅が狭く、先端に行くにつれて次第に先細りしています。それから、これは終齢幼虫に特にはっきり見られる特徴ですが、複眼の中に色の淡い部分(複眼内縁淡色部)が見えますが、ギンヤンマではその部分が長く伸びて、途中から「水牛の角」のような特徴的な形状になります。さらにその両複眼先端部間の幅が広く、且つ前方へ強く突き出ているのが特徴です。後頭部(「頬」の部分)は幅が広く、がっしりして、ややえらが張ったような感じに見えます。

それに対し、クロスジギンヤンマ(下)の頭部形状は複眼はギンヤンマよりも幅広く、先端部もそれほど先細りせず、むしろ膨らみ気味にになっています。さらに、複眼内縁の淡い部分もギンヤンマのような特徴的な形にはなりません。両複眼間の幅はギンヤンマよりもずっと幅が狭く、小さいのが特徴です。後頭部はギンヤンマよりもずっと華奢な印象で、「えら」もあまり張っていません。

2種の幼虫の頭部の違いを比較したので、それを基に一番上の終齢幼虫の頭部を検討してみましょう。先ず、複眼の形状はギンヤンマ同様、縦に長く、幅も狭いのですが、先端部はギンヤンマ程、先細りしていません。複眼内縁の色の淡い部分ですが、幅が広く大きいのが特徴と言えますが、先端部はギンヤンマのような「水牛の角」のような形にはなっていません。両複眼間の幅もギンヤンマよりも明らかに狭い感じがします。後頭部はギンヤンマによく似ています。