2019年12月10日火曜日

♂(同色)型だったクロスジギンヤンマ♀を絵にしました。

今年5月に自宅飼育羽化したクロスジギンヤンマ♂(同色)型♀を絵にまとめてみました。
比較の為、クロスジギンヤンマ通常型♀の腹部(背面・側面)を描き加えました。

2019年11月27日水曜日

2019-04-24~05-10 自宅で羽化させたクロスジギンヤンマ♀が♂型♀だった。 腹節斑紋の色の変化を中心に。

去る4/24未明にクロスジギンヤンマ♀が羽化しました。


詳しい方はお気づきかもしれませんが、腹部第3節が♀らしくなく、まるで♂のように細くくびれています。


しかし、横からみると産卵管もついていて、あきらかに♀であることがわかります。気になる斑紋の色はこの段階では「青味を帯びた灰色」というところでしょうか?


その後、すぐ(羽化の翌日)に灰色のトーンは無くなっていきました。それでもまだ斑紋には黄色味があり、「薄青」よりは「薄緑色」に近いです。しかも横二列に並んだ斑紋の間は茶色っぽくなっています。実際、この段階ではその後、徐々に黄色くなっていくケースが普通だそうです。

しかし、その5日後には


腹部(腹節)斑紋は黄色味も取れて青味が増してきました。二列の斑紋の間も5/2ほど茶色くなくなり、地色の黒さと斑紋の青さが鮮明になってきました。これは5/7の状態なので、羽化からすでに2週間経過しており、「青色型への途中段階」と言ってよいと思います。特に第6節の大きい斑紋に注目すると中心部から青が濃くなっていくのがわかりますね。



おそらく、クロスジギンヤンマ♂型♀(青色♀)の判定には2週間程度、最低でも10日以上は必要と思われます。



5/10、背面から撮影した写真です。複眼もやや青味が出てきました。腹部全体に膨らんだ印象ですが、第3節はくびれた状態が残っています。あくまで個人的な見解ですが、腰部のくびれた♀個体がすべて♂型となるかどうか?は言えないとしても、その逆、つまり♂型♀個体は腰部がくびれた個体が多い。は言えるのではないか?と思っています。
クロスジギンヤンマは♂♀ともに成熟すると翅は無色透明になります。この♀の翅は茶色く煙っているので、まだ成熟に達していないと思われます。

#クロスジギンヤンマ♂型♀

2019年8月19日月曜日

飼育中のクロスジギンヤンマ幼虫の経過報告と飼育容器の注意点-ペットボトルとタッパー。

先ずは近況報告から

飼育中のクロスジギンヤンマ幼虫野外飼育個体2・室内飼育個体5の計7頭のうち野外2・室内3頭が8/9~8/15にかけて亜終齢に脱皮しました。

写真はその一部です。
亜終齢幼虫は「F-1 幼虫」とも呼ばれます。
これは、終齢幼虫を「ファイナルステージ」として、つまり「F」はファイナルの意味ですね。ここから逆算していく表現方法です。
何故こんな面倒くさいことをするのか?というと。トンボ幼虫はグループや種によって脱皮の回数が一定ではないため、こんなことになるのです。

この子たちが孵化したのは5/30ですから、今日で生後ちょうど80日目ということになりますね。
日本に生息するほかのギンヤンマ属は卵から孵化してどのくらいでトンボになるか?調べてみました。
日本にはクロスジギンヤンマの他、オオギンヤンマ・ギンヤンマ・リュウキュウギンヤンマ の3種類生息しています。そのうちリュウキュウギンヤンマは南西諸島(沖縄などが属します)より北ではみられないので、オオギンヤンマとギンヤンマで見てみることにしましょう。(記録によるとリュウキュウギンヤンマも同程度らしいです)

すると、オオギンヤンマもギンヤンマも幼虫期間は約「60日」とあります。-ただし、これは初夏に孵化したヤゴについてで、この2種は秋にも産卵するので、ヤゴは越冬するので、その分、期間が長くなります。

話を元に戻しますと、「幼虫期間」とは、孵化~羽化まで、ということですから、60日をとっくに過ぎた今現在、ようやく亜終齢になったかならないか、のクロギン幼虫は他の日本産ギンヤンマ幼虫に比べると、その成長スピードは随分と遅いことになりますね。

さて、現在、我が家ではヤゴをこのような容器で飼育しています。

この写真には、ペットボトルとタッパー容器が写っていますが、羽化近い終齢幼虫は木の枝などに上って羽化するので、ペットボトルは最適なのですが、逆にそれ以前の幼虫を飼育する場合、エサを与えるときはわざわざ別の容器に移さなければならなくなり、かなり不便です。

2019年6月30日日曜日

クロスジギンヤンマ幼虫(飼育中)続。

室内飼育容器に移した個体は現在、このようになっております。


冷凍あかむしも一日4尾ほど食します。

2019年6月17日月曜日

クロスジギンヤンマ孵化~初期幼虫まで。

去る5/30朝、採集したクロスジギンヤンマの産卵痕のあるアサザの葉柄からクロスジギンヤンマのヤゴが孵化しました。








黒っぽくて、まるで水中のアリみたいにみえます。

六月中旬になると、黒い地色に白っぽい分断色が入った感じになります。


そしてつい最近は、こんな感じになりました。



ツートンの色の濃い部分が黒ではなくなり、且つ、その部分にポチポチした斑紋が現れるようになりました。

2019年5月19日日曜日

自宅孵化~幼虫飼育~羽化のクロスジギンヤンマ♂-羽化後飼育2週間にして腹部の黒地斑紋が青くなってきました。

自宅孵化~幼虫飼育していたクロスジギンヤンマが4/23夜半に羽化しました。
2週間後の様子です。通常の♀とは体型と体色が少し違いますね。体型は通常の♀は腰部が太くやや寸胴な感じになりますが、この個体はくびれがハッキリしています。この体型は♂に見られる体型です。
もうひとつは腹部(腹節)の黒地にある斑紋の色です。通常の♀は、この部分の色は黄褐色~黄緑色ですが、この個体は青みが強いのが特徴です。

所謂「♂同色型(青色型)」、または「♂型♀」と言いたいところですが、残念ながら、複眼の色が完全な青色ではないのです。もしかしたら、もう少し日数が経過すれば青くなるのかも…?と思っていましたが、悲しむべき事に、羽化からちょうど20日経過した5/13夕刻、とうとう力尽きました。




2019年3月27日水曜日

乾燥に耐えるトンボ幼虫

トンボ幼虫(ヤゴ)には小さい池や浅い湿地など、乾燥が続くと干上がってしまう事もある水域に生息する種類も多く、これらの種類は乾燥に対する強さ(耐性)を備えています。
クロスジギンヤンマ幼虫もそのひとつです。
トンボ幼虫は水生昆虫なので、陸上の昆虫のような「気門呼吸」ではなく直腸内にある「鰓」を使って呼吸しています。しかし、魚のように水から揚げてしまうとすぐに呼吸出来なくなる訳ではなく、体の表面に湿った部分があれば、そこから水分を鰓に送り込んで呼吸しています。ヤゴが乾燥に強いのはそのためです。
この写真は、所沢市のとある小学校内にある池で、池の掃除の為、アズマヒキガエルの卵紐とともに池外に引き上げられていたクロスジギンヤンマのヤゴです。
引き上げられてかなり時間が経過していたため、二頭いたクロギンヤゴのうち、一頭は残念なことに死んでいたのです。写真の個体も最初は動かず、救出作業をした小学生の男の子は「もうダメかもしれない…」とあきらめの気持ちだったそうですが、数日後、水中で体を動かしていた事を確認して、撮影したのがこの写真なのでした。