トンボ幼虫(ヤゴ)には小さい池や浅い湿地など、乾燥が続くと干上がってしまう事もある水域に生息する種類も多く、これらの種類は乾燥に対する強さ(耐性)を備えています。
クロスジギンヤンマ幼虫もそのひとつです。
トンボ幼虫は水生昆虫なので、陸上の昆虫のような「気門呼吸」ではなく直腸内にある「鰓」を使って呼吸しています。しかし、魚のように水から揚げてしまうとすぐに呼吸出来なくなる訳ではなく、体の表面に湿った部分があれば、そこから水分を鰓に送り込んで呼吸しています。ヤゴが乾燥に強いのはそのためです。
この写真は、所沢市のとある小学校内にある池で、池の掃除の為、アズマヒキガエルの卵紐とともに池外に引き上げられていたクロスジギンヤンマのヤゴです。
引き上げられてかなり時間が経過していたため、二頭いたクロギンヤゴのうち、一頭は残念なことに死んでいたのです。写真の個体も最初は動かず、救出作業をした小学生の男の子は「もうダメかもしれない…」とあきらめの気持ちだったそうですが、数日後、水中で体を動かしていた事を確認して、撮影したのがこの写真なのでした。
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