2016年12月14日水曜日

昆虫専門誌に掲載されました。「ギンヤンマ属2種幼虫の外部形態による同定について」小関裕兄

某地域の昆虫専門誌に掲載された、ギンヤンマ属2種(ギンヤンマ・クロスジギンヤンマ)の幼虫の外部形態による同定に関する研究発表です。




2016年11月22日火曜日

トンボ・ヤゴ質問箱 2016・秋篇

子供さんから質問状が届きました。


1. やごのくらしをおしえてください。

(1)たべもの - (回答) 水中の、びせいぶつ・小さいこんちゅう・ めだか

                などの小さなさかな

(2) せいかつ - (回答) 水中・水のそこにもぐっているタイプと水中に生えている草の中やおち葉の下にいるタイプとがあります。ムカシヤンマは水中にはいないタイプなので、れいがいです。

2 どうしてタマゴをうむのですか?

(回答) こんちゅうだから。こんちゅうは体が小さいので、おなかの中でそだてることができないから。

4 小さいとほかの虫に食べられにくい?

(回答) たべられにくい点とたべられやすい点と両方あります。

たべられにくい点 - おち葉などのかくれるばしょがいっぱいある。

たべられやすい点 - 自分より大きいいきものがいっぱいいる。

5 トンボはなん年くらい生きますか?

(回答) しゅるいによって大きくちがいます。やごのじきをふくめて、早いものでは3か月前後(ウスバキトンボ)、おそいものでは7ねん~8ねんくらいかかる種類(ムカシトンボ)もいます。

トンボに羽化(うか)した後では1か月~1か月半くらいのトンボが多いです。。赤トンボ(アカネぞく)では6月~11月くらいまで5か月くらいです。あとは、トンボで冬をこすタイプは半年くらいです。

6 せいちゅう(トンボ)の飼いかた。

(回答) ハエなどの小さい虫など。でも、いちばんだいじなのは水をあたえることです。水だけでもかなり長く生きています。

2016年10月11日火曜日

ヤゴ・ギャラリー 1 本州産ギンヤンマ属幼虫2種の成長過程 

本州に生息するギンヤンマ属2種(ギンヤンマ-上、クロスジギンヤンマ-下)の成長過程を4段階に表しました。

左から、「1-2齢幼虫」 「中齢前期幼虫」 「亜終齢幼虫」 「終齢幼虫」 です。

2016年9月27日火曜日

クロスジギンヤンマ♀の特徴的な個体。

今年の5月17日にクロスジギンヤンマの♀が羽化しました。腹部に特徴が見られます。腹部側面上側の斑紋は粒状で二つが離れてついています。色も青みがかっていて、所謂「♂同色型♀」の可能性がありそうです。腹部全体もクロギンの典型的な♀(2枚の写真の下の写真)に比べると細い感じがします。さらに特徴的なのは腹部第3節の下側(一番上の→)がはっきりと青い事です。それに続く腹節の側面下側の斑紋も青白い色をしています。



次に典型的なクロスジギンヤンマの♀の腹部です(下写真)。 上下とも→部分に注目してご覧ください。こちらは腹部が全体的に太く、側面上側の斑紋も二つがつながり気味です。色も黄色っぽく見えます。腹部第3節下側も最初の♀個体よりも黄色い部分が目立ちますね。側面下側の斑紋も形・色ともに違いが見られます。

2016年9月18日日曜日

シオカラトンボ-南伊豆町にて

「写真のトンボは何というトンボですか?」というお便りをいただきました。


上の写真のトンボはシオカラトンボの♂です。下写真のトンボがシオカラトンボ♀です。

 シオカラトンボの♀は「ムギワラトンボ」と呼ばれることが多いです。

♂と♀ではどこが違うか?分かるかな?

2016年8月27日土曜日

ヤンマ科図鑑風にしてみました。(その二)

ヤブヤンマ・マルタンヤンマ・ギンヤンマ・クロスジギンヤンマの終齢幼虫の背面全形図を挿入した解説つき。


2016年8月25日木曜日

マルタンヤンマ・ヤブヤンマ-ギンヤンマ属2種の終齢幼虫と成虫(♂) 横向き絵図

ポストカードサイズ印刷を2枚並べて、図鑑風にしてみました。

一枚¥150(市販価格)x2で、¥300です。

2016年8月14日日曜日

2016年7月12日火曜日

クロスジギンヤンマ初期の幼虫の色と斑紋パターン

採卵から孵化したクロスジギンヤンマ幼虫を飼育して一か月が過ぎました。大きさも1センチ近くになり、エサも採卵時に一緒に持ち帰った水草にいたプランクトンから「冷凍あかむし」を水で戻して与えています。

この頃になると、体色が緑色になる個体が多くなりました。容器には水草を多めに入れているので、緑色は「保護色」になります。同じ「緑色」でも、濃淡や斑紋にバリエーションが見られます。


緑色・斑紋型-よく見られるタイプです。



「淡緑色・淡斑紋型」-緑色度・斑紋が淡いタイプ。成長に従って上のタイプに変わることが多いです。




「鮮緑色・斑紋不鮮明型」-鮮やかな緑色の体色で斑紋が不鮮明なタイプ。成長過程での脱皮直後の体色に似ていますが、この個体は脱皮後数日が経過しています。



  ♯クロスジギンヤンマ幼虫

2016年7月5日火曜日

「ギンヤンマ属2種幼虫の複眼部による同定について」 ♯ ギンヤンマ・クロスジギンヤンマのヤゴ

つい最近、某県の昆虫談話会発行の昆虫専門誌に掲載された私の研究報告です。専門誌掲載されたものを其の儘掲載はできないので、事前に用意した分をアップします。尚、この報告文の内容は、千葉県在住のベテランのトンボ学会員の方にその重要性をご指摘いただいたうえ、御好意により、その先生の主宰する、トンボ研究者および愛好家での同好会の連絡誌に発表した内容が元になっています。



2016年6月25日土曜日

ブログ投稿記事シリーズ・ダイジェスト版「かえると水辺の昆虫たち」の御案内


本日と翌日、東京都墨田区・墨田公園リバーサイドギャラリーにて、「浅草かえるアート展」が開催されます。私も前回、「かえると水辺の昆虫たち」と題して、一時間程度の講演を行いました。その内容を当ブログにまとめた記事(同題名)を投稿しましたので、ご興味のある方は是非ご覧ください。 ダイジェスト版「かえると水辺の昆虫たち」で検索できます。


2016年6月22日水曜日

トンボ科幼虫の頭部での見分け-「アカネ型」と「シオカラ型」

「シオカラ型」のヤゴの大部分(と、いうよりもほとんど全て)はシオカラトンボ属(仲間)です。

オオシオカラトンボ幼虫の頭部(上) とシオカラトンボ幼虫の頭部(下)


「シオカラタイプ」のヤゴは、頭部(あたま)の形は円みのある横長の長方形で、複眼は、やや小さめ~小さめ で、頭の横幅と同じくらいか、やや内側にあり、頭の前寄りの斜めに「飛び出るように」付いているのが特徴です。

次に「アカネタイプ」のヤゴ(実は、トンボ科幼虫のほとんどがこのタイプに属します。こちらはバリエーションが豊富です。

 まずは、アカネ属の幼虫の頭部から。




 ネキトンボ(亜終齢)-上 ネキトンボ(終齢)-下


マユタテアカネ幼虫(上)


今度は、アカネ属以外のトンボ科幼虫の頭部形状のバリエーションです。


コシアキトンボ幼虫(上) とコフキトンボ幼虫(下)

 ショウジョウトンボ幼虫(上) ハネビロトンボ幼虫(下)

如何でしょうか?かなり色々なタイプの形がありますね。でも、

どの種類のヤゴも「シオカラタイプ」とは違う点があるのにお気づきでしょうか?

まずは「逆さ台形」の頭をしていて、複眼の大きさは、ふつう程度~大きめ で、頭の横幅の外側に出ているのが特徴です。

2016年6月14日火曜日

トンボ科幼虫(羽化殻)の見分け方-「アカネタイプのヤゴ」と「シオカラタイプのヤゴ」

ここでちょっとトンボ科のヤゴの形についてみてみましょう。

シオカラトンボのヤゴは頭の形にとくちょうがあります。上から見ると、四角い形をしていて、眼がずいぶん小さいですね。

他のヤゴのかたちを見てみます。プールのヤゴ救出で一番多いヤゴは・・


こんな形をしていると思います。

頭の形を拡大してみます。


くらべてみると、さっきのシオカラトンボのヤゴとはずいぶんちがった形をしていますね。

どちらも「トンボ科」というグループにふくまれますが、シオカラトンボのヤゴのような形をしたタイプを「シオカラ型」といい、もうひとつの形をしたタイプを「アカネ型」といいます。

「トンボ科」グループ全体では「アカネ型」のヤゴのほうがずっと多く見られます。

直立型の羽化 クロイトトンボの場合

トンボの仲間には、倒垂型とは異なるタイプ-「直立型」と呼ばれる羽化をするグループがいます。

その仲間のひとつ、クロイトトンボの羽化の様子です。