2015年8月1日土曜日

「夏休み特別授業」4 ー 成長段階によるヤゴの形の違い・後半

ヤゴを採集して、家に持ち帰って観察するのはどの成長段階のヤゴがいいの?

ヤゴのどういう特徴を観察したいのか?にもよりますが、やはり最大の見どころは「トンボへの羽化(うか)」シーンの観察だと思います。その場合は終齢幼虫が一番適していると思います。

でも、終齢幼虫を採集・持ち帰る場合、是非とも守っていただきたいことがあります。

終齢幼虫でも「最初の頃」と「本当に羽化が直前に迫った時期」では、ヤゴの体に変化が現れます。

クロスジギンヤンマ終齢幼虫ー前期(左)と後期(右)


この絵はクロスジギンヤンマですが、「授業」3でも触れたとおり、クロギン(クロスジギンヤンマのこと)は秋~冬にならないと終齢になりません。でもギンヤンマをはじめ、今がこの時期のものも多いので、眼にする機会は多いと思います。クロギンに限らずどの種類のヤゴでもそうですが、右側のヤゴと左側のヤゴとでは、何所が違うか、見つけることが出来ましたか?

はっきりと違うところは2つありますね。そう、「翅(翅芽)」と「目(複眼ーふくがん・・昆虫の目は小さな目がたくさん集まって出来ているので、こう呼びます)。右側のヤゴ・・こちらが羽化直前のものですが・・翅は開いて(前に出ているほうが後ろ翅・中にあるのが前翅になります。)、前翅が先端(せんたん)まで見えるようになります。複眼も左右が真ん中で繋がってトンボらしい感じになるのが判ると思います。こんな特徴が現れると、水面から高く突き抜けている植物などの茎につかまっていることが多くなります。羽化の準備を始めているのです。ですから、こんなヤゴを見かけたら採集せずにそのままにしてあげて下さいね。

0 件のコメント:

コメントを投稿