前回では カエル(おたまじゃくし)をたべる水生昆虫 として、ヤゴ(トンボ幼虫)を取り上げました。
ヤゴは顎でそのまま食べて体の中で消化する「体内消化」-いわゆる「ふつうの消化パターン」です。
今回取り上げるのは、それとは異なる「体の外・・つまり捕えた獲物の体内に消火液を注入してドロドロに溶かして摂取する「体外消化」という消化パターンをもつ水生昆虫です。
このタイプの水生昆虫として、先ず最初にゲンゴロウの幼虫を見てみます。 ゲンゴロウは御存知の方も多い、池や沼などの止水域に生息する甲虫の仲間です。ゲンゴロウ(成虫)は鰓で呼吸するヤゴとは異なり 、空気を体の隙間に溜めて、そこから酸素をとりこんで呼吸しています。 幼虫はご覧のような成虫とは全く異なる形をしています。ゲンゴロウはトンボとは異なり、蛹の時期のある 「完全変態の昆虫です。なので、脱皮(3回)をしても体の表面に翅が見えることはありません。でも、鰓を持っているわけでもなく、呼吸はお腹の先にある長い管を水面に出して、そこから酸素を取り入れて呼吸します。頭部を見ると先ず目に着くのは大きな顎です。実はこの顎を獲物の体に喰い込ませて、その顎の先から出る消火液を獲物の体に注入して、体組織を溶かして食べるのです。
♯『浅草かえるアート展』
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